説明
掛軸の保存方法
掛け軸は良質の和紙と表装用裂地・糊を用いて作られています。従って、特に湿気と過度の乾
燥を嫌います。
(1)
冷暖房のききすぎた部屋や湿気の多い所に掛けないこと。
(2)
湿気の少ない場所に保存すること。
(3)
年に二度程度、春秋の晴れた日に虫ぼしをすること。
(4)
連日掛けたままにせず、時々巻きおさめること。
(5)
掛けはずしの時、折れないように注意すること。
(6)
あまり堅く巻かず適度に巻いて紐はゆるめにかけること。
(7)
保存には防虫剤等に頼ることになるが正倉院などでは化学的な防虫剤は一切使わず数種類の薬香を使っている。沈香・白檀香・丁子香・甘松香などである。樟脳やナフタリンを入れたままだと「大名じみ」という黒いポツポツが画面全体についてしまう。保存の箱には、古来より桐が最上とされている。桐の木材の目が開いたり閉じたりし湿気を吸ったり吐いたりし、湿度を保つ。